ドラムの練習をしていると、「あぁ、自分にはドラムのセンスがないなぁ…」と思う時があると思います。
特に、自分よりもドラム歴が短いのに上手い人を見た時は自信を失ってしまいますよね。
私は今はそのように思いませんが、昔は自分より上手いドラマーを見るたびに「あぁ、自分はなんて下手くそなんだ」と悩んでいた時期がありました。
ドラム初心者ならなおさらでしょう。
ドラム初心者同士を見比べてみると、ドラム歴が浅いことからモロにセンスの差が出てきます。
「ドラム歴は同じはずなのに、自分はあの人に比べて全然叩けない…」
こう思ってしまっては、ドラムに挫折するのも時間の問題です。
でも安心してください。
ドラム初心者のときからセンスを磨くことは可能です。
ここでは、そもそもドラムのセンス・才能とは何か?そしてセンスを身につけるためにはどうすればよいのか?について解説します。
この記事の目次
そもそもドラムのセンス・才能とは何か?
まずはドラムのセンス・才能とは何か?を定義しなければいけません。
センスといっても色々と答えが出てきそうですが、ここでいうセンス・才能とは
- ドラムの上達の早さ(技術を吸収する早さ)
- フレーズの引き出しの多さ
- 曲のアレンジセンス
の3つということにします(まだまだあると思いますが)。
もし、現段階で「自分には3つとも欠けているなぁ」と感じていても全く問題はありません。
なぜなら、この3つはドラム初心者でも後から身につけられるからです。
ドラム初心者でもセンスは身につけられる。その根拠は?
根拠は、センスとは所詮「知識・経験の積み重ねでしかないから」です。
つまりドラム初心者がセンスを身につけるためには、ドラムの知識を勉強したり、実際に叩いたり、曲を作ったり、曲のアレンジをしたり、など経験を積み重ねれば良いというわけです。
これは、ドラムという楽器だけではなく、すべての物事に通じます。
あなたは、「センスは知識からはじまる」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは、誰もが知る有名ゆるキャラ、くまモンを生み出した水野学さんの言葉です。
言葉というよりも、水野さんが執筆した書籍のタイトルです
水野さんは、著書「センスは知識からはじまる」の中で以下のように述べています。
センスとは、誰にでも備わった身体能力と同じです。
ー中略ー
どれだけセンスを磨き、使いこなせるかーその違いが、センスがいい/悪いということです。
ー「センスは知識から始まる」 水野学より引用
私もこれに同意件です。
センスは誰にでも備わったものであり、実際にそれを磨き、自分が使いこなせるかどうか。
これこそが「センス」の本質だと考えています。
たとえ最初から光るものを持っていなかったとしても、しっかりとインプット・アウトプットを繰り返せば、ドラムのセンスは後天的に身につけられます。
「自分にはドラムのセンスが無い」と感じるのは、まだセンスが磨かれておらず、それを使いこなせていないだけに過ぎません。
もちろん、超が付くほどの天賦の才を持ったドラマーには、いくらセンスを磨いても追いつけないかもしれません。
しかし、私を含むほぼ全てのドラマーは所詮凡人です。
そしてそれは、現役で活躍しているプロドラマーにも言えることでしょう。
そもそも、プロドラマー全員が「超が付くほどのセンスを持っている」という前提で考えるのがおかしいのではないでしょうか。
私を含む、世の中のすべての人間(ドラマー)は所詮凡人です。
ですので、ドラムのセンスがない→だからあきらめる
ではなく、
ドラムのセンスがない→じゃあ、センスを磨いていこう!
と考えましょう。
ドラム初心者同士で差が付くのは「センス」なのか?
ドラム初心者同士を比べた時、上達が早い人とそうでない人が明確になることがあります。
これはまぎれもなくセンスの差でしょう。
初めからドラムのセンスを持っている人は、スポンジのようにドラムの技術を吸収できるだろうと思います。
しかし、「自分はやっぱりセンスがないんだ…」とへこむ必要は一切ありません。
先述のように、センスなんてものは所詮、経験の積み重ねに過ぎないからです。
ひも解いてみると至極簡単な理屈です。
ドラム初心者でもセンスを感じさせる人は、これまでの人生で「ドラムの演奏に役立つ経験」をしているだけです。
例えば、ドラマーには欠かせないものの一つに、リズム感があります。
始めたばかりのドラム初心者がリズムぴったりに叩けたら、それは「センスがある」と言えますね。
では、なぜドラム初心者なのにリズムぴったりに叩けるのか。
その理由の一つとして考えられるのがスポーツです。
スポーツの世界では「リズム感」が非常に重視されており、練習でリズムトレーニングを行っているアスリートも少なくありません。
水泳のストロークにしても野球のバッティングにしてもバスケのドリブルにしても、密接にリズムと関わっているのが分かりますね。
学生時代に何かスポーツをやっていた人なら、そのスポーツを通して無意識のうちにリズムトレーニングを行っていた可能性もゼロではありません。
要するに、スポーツ経験の有無によって、リズム感、すなわちドラムのセンスが左右される可能性も考えられるのです。
この理屈なら、学生時代、ろくにスポーツをしていなかった陰キャオタクの私がドラムのセンスを持っていなかったのも頷けます。
ただ、私はセンスは後から身につけられると考えているので、別に痛くもかゆくもありません。
これから身につければいいだけの話です。
ドラム初心者同士だと「センスの差」が如実に表れますが、それなら、後からセンスを磨けば良いだけのことです。
ドラム初心者がセンスを身につける方法。やはり基礎練習が一番です!
ドラム初心者がセンスを身につける方法として挙げられるのが、やはり基礎練習です。
具体的には、4WAYトレーニングやチェンジアップ、パラディドル、アクセント移動、フラム(ドラッグ)などですね。
誤解を恐れずに言うと、基礎練習はめちゃくちゃ地味でつまらないです。
しかし、基礎練習をおろそかにしているドラマーの演奏は総じてつまらないのも事実です。
音に強弱がなくて単調だったり、リズムがズレていたり、音量バランスがバラバラだったり…など、基礎練習をおろそかにすると目も当てられない演奏になってしまいます。
ドラムにおける基礎練習は、
- センスを磨く練習であり、
- ドラムの基礎を築く練習であり、
- ドラマーとしての表現力を磨く練習
でもあります。
ですので、基礎練習はどんなに忙しくても必ずやるようにしましょう。
一日5分だけでもOKです。とにかく、毎日やることが大切です。
無意味な基礎練習なんてありませんので、日々、基礎練習を行ってドラムセンスを磨いていきましょう。
ちなみに偉そうに講釈を垂れている私ですが、ドラムを始めたころは全く基礎練習を行っていませんでした。
だからドラムのセンスが身についていないのでしょう。
「センスがないから上手くなれない」は多くの場合、ただの練習不足
ぶっちゃけて言うとセンスがないから上手くなれないというのは、ほとんどの場合ただの練習不足です。
ドラムはスティックで叩いたりペダルで踏んだりすれば音が出る単純な楽器ですが、単純ゆえに非常に奥が深い楽器でもあります。
ドラムに限った話ではありませんが、練習した量=演奏力になるといっても過言ではありません。
練習した量が多ければ多いほど、その人のセンスが磨かれ、それが演奏力として現れます。
私自身、「練習時間は長ければ長いほうがいい」などの薄っぺらい精神論は嫌いですが、多くの場合、あきらめずに練習を続けることで確実に上達します。
時にはなかなか上達が感じられず、「自分はやっぱりセンスがないのかなぁ…」と思うこともあるかもしれません。
その時は、
- 練習の内容を変えてみたり
- 仲間のドラマーに相談してみたり
- ネットや書籍で情報を集めたり
- ドラム教室に通っているなら講師に相談したり
など、対策方法はいくらでもあります。
一番危険なのは、「スランプを脱却できない。やっぱり自分にはドラムのセンスがない」と自己嫌悪に陥ることです。
こうなると、間違いなくドラムに挫折してしまいます。
努力不足を棚に上げてセンスがないという言葉で片づけるのは誰にでもできます。
センスが無いと感じるなら、センスを磨いていきましょう。私も常にセンスを磨いていくつもりです。
ほかのドラマーがすごい≠自分にはドラムのセンスが無い
「自分と比べてほかのドラマーはすごい!だから自分にはセンスが無い…」
よく聞く(?)言葉ですが、本当にそうでしょうか。
ほかのドラマーはすごい→だから自分にはセンスが無い
どう見ても論理が破綻していますね。
ほかのドラマーがどうであれ、あなたのドラムセンスとは一切関係がありません。
何事にも言えることですが、多くの場合「センスが無い」というのはあなたの思い込みに過ぎません。
そもそも、周りのドラマーがすごく見えるのは、ある意味当然のことです。
なぜなら、あなたはそのドラマーの「すごい部分」しか目にしていないからです。
インターネットにしてもライブハウスにしても、あなたが目にしているめちゃくちゃ上手いドラマーは、周囲がドン引きするほどの練習量をこなしてきているかもしれません。
もしかしたら、そのドラマーもあなたと同じように「自分はなんてセンスがないんだ…」と悩んでいた時期もあったかもしれません。
ここだけの話、ほとんどのドラマーが経験していると思います。全く根拠はありませんが
インターネットでプロ並みの演奏をしている「叩いてみた動画」にしても、何回もリテイクしてやっと撮影できたのかもしれません。
客観的に見ているだけでは、その人の事情なんて私たちには全く分かりません。
結局のところ、その人の一番すごい演奏を見ているから、その人がすごく見えているだけです。
ほかのドラマーと自分のセンスを比べるのは死ぬほど時間の無駄なので、悩む暇があったらセンスを磨くことに時間を費やしましょう。
その方がはるかに建設的です。
終わりに
センスのあるドラマー、センスのないドラマーは確実に存在しますが、「自分にはセンスがない」と諦めた時点で後者になってしまいます。
あなたが持つドラムのセンス・才能を生かせるのはあなただけですが、それを磨くも磨かないも生かすも殺すもあなた次第です。
私は同じドラマーとして、あなたを応援しています。
ともにドラマーとしてセンスを磨き、楽しいドラムライフをエンジョイしましょう。
素晴らしいお言葉が並べられており、とても励まされました。一番大事なのはやはり基礎練習の積み重ねだと改めて気づかされました。コロナウイルスで出来ることが限られてるいまだからこそ、なにかやるべきことがあるはずだと思っています。今後の音楽活動に活かすために日々精進し、いつになるかわかりませんが自分の理想のドラマーになってみせます。
ありがとうございました。
Shiroさん、記事を読んでいただき、そしてコメントまでくださってありがとうございます!
私自身センスを語れるほど立派なドラマーではありませんが、私の言葉で「何かの気づき」を与えられればと思い、当記事の執筆に至りました。
当記事がShiroさんの「気づき」に繋がったのであれば、私としても非常にうれしく思います。
こちらこそ、ありがとうございました!
同じドラマーとして、ともに頑張っていきましょう!