ドラム初心者にありがちな悩みの一つに「両手・両足をバラバラに動かせない!」というものがあります。
私もドラムを始めた当初は右手に左手がつられ、右足に右手がつられ…なかなかバラバラに動かせずイライラしていました。
しかし、ドラマーである以上、両手・両足はそれぞれ独立して動かせるようにしなければなりません。
私は未だにこの悩みを完全に克服できていませんが、手足をバラバラに動かす数ある練習の中でも、個人的に効果を実感しているのが 4way練習(4wayトレーニング)です。
この記事の目次
そもそも4way練習(4wayトレーニング)とは?
4way練習(4wayトレーニング)は、4ウェイ・オルタネート・トレーニングとも呼ばれており、両手・両足をバラバラに動かす練習のことです。そのままですね。
4wayインディペンデンスという呼び方もあるそうです
やり方はとても簡単。メトロノームに合わせて
の順番に両手・両足を動かすだけ。
譜面にすると、以下のような感じです。
16分音符の譜面ですが、8分音符でやっても効果があります。

また、以下のように
右手→左足→左手→右足
というように動かしてもいいでしょう。

他にも、左手からスタートしたり、右足からスタートしたりなど、色々なパターンでやってみてください。
とても単純で退屈な練習ですが、1日5分やるだけでも全然違います。
4way練習はメリットしかない。やらない理由はありません。
4way練習は、ハッキリ言ってメリットしかありません。
4way練習のメリット一覧
- 家や職場でもできる
- ドラム初心者でも出来る
- スティックなしでも出来る ※ただしメトロノームがある場合は必ず使用する
- プロドラマーもやっている(?)
4way練習は、ざっと挙げるだけでも上記のメリットがあります。
これだけのメリットがあるので、もはややらない理由がありませんね。
あまり時間や場所に左右されないので、ドラムに触れられる時間が限られている社会人ドラマーには、強くおすすめしたい練習方法です。
社会人ドラマーである私も、毎日欠かさず行っています。
4ウェイ・オルタネート・トレーニングは手ぶらでOK!
先述のように、4ウェイ・オルタネート・トレーニングは手ぶら(スティックなし)でOKです。
スティックなしの4ウェイ練習の方法としては、以下の通りです。
- 椅子に座る
- 手を膝の上に置く
- 右手→左足→左手→右足の順に動かす
たったこれだけですので、椅子に座れる場所であればどこでも行うことができます。
今あなたが椅子に座っている場合は、今すぐにできる練習です。
ドラム初心者の中には、ドラムスティックや練習パッド、メトロノームを持っていない方もいらっしゃると思います。
スティックを持っていないけどドラムの練習がしたい!という方は、今日から4wayトレーニングを練習メニューに追加しましょう。
ただ、できればスティックを用いた方が効果的なので、初心者におすすめのドラムスティックの選び方などを見て、スティックを用意することをおすすめします。
4way練習(4wayトレーニング)のコツ
4way練習(4wayトレーニング)をより効果的にするために、コツを押さえておきましょう。
4way練習のコツとしては以下が挙げられます。
- 一打一打をしっかり意識する←超重要
- 必ず自分が出来るテンポから始める
- 正しい叩き方・踏み方で行う
1が特に重要なのですが、どれも重要なので一つ一つ解説していきます。
一打一打をしっかり意識する
4way練習で一番重要なのが一打一打をしっかり意識することです。
4way練習に慣れてくると徐々にテンポを上げていくと思いますが、テンポが速かろうが遅かろうが、必ず一打一打を意識してください。
理由は、叩いている・踏んでいる感覚を体に覚えさせるためです。
例えるなら、自転車に乗るときの反復練習のようなものです。
最初の頃はハンドルの動きやペダルの踏み方、バランスのとり方など一つ一つを意識していますが、乗れるようになると全て無意識化されます。
4way練習は、叩いている・踏んでいるという感覚を無意識化させるための練習です。
右手で叩く・左手で叩く・右足で踏む・左足で踏む
この感覚を無意識化させるためにも、一打一打をしっかり意識してください。
一流のスポーツ選手も反復練習を重ねて「動き」を無意識に引き出せるようにしています。ドラムの演奏も全く同じです。
必ず自分が出来るテンポから始める
4way練習は、必ず自分が出来るテンポから始めるようにしてください。
テンポが速すぎると「テンポに追いつこう!」として一打一打を意識できなくなります。
4way練習の目的は、両手・両足をバラバラに動かせるようになることです。早く動かすことではありません。本質を見誤らないように気を付けましょう。
私がおすすめしているのが、「ちょっと頑張ればできる程度」までテンポを上げて練習するという方法です。
例えば、「BPM60なら安定して叩けるけど、BPM70は怪しい…」という場合は、BPM60~70の間で練習するという感じです。
「早く上手くなりたい!」という気持ちが強い人ほど、無理してテンポを上げようとする傾向があります私もそうでした。
何事にも言えることですが、焦りはかえって練習効率を悪くさせるだけです。
なので、4way練習に限らず、ドラムの練習は「焦らず・確実に」実践することを意識しましょう。
正しい叩き方・踏み方で行う
一打一打しっかり叩く・踏むことは重要なのですが、正しい叩き方・踏み方を実践しなければ意味がありません。
ドラムは叩けば簡単に音が出る楽器です。しかし裏を返せば、間違った叩き方・踏み方をしても音が出るということです。
間違った叩き方・踏み方で4way練習を行うと、あなたの体はその動きを覚えてしまいます。
ですので、4way練習を行う前に、まずは
- スティックの正しい握り方
- スティックの正しい振り方
- ドラムの正しい叩き方(ヘッドの中心を叩く)
- バスドラムの正しい踏み方
をしっかりと実践する必要があります。
生ドラムを使って4way練習を行う場合は、必ず正しい叩き方・正しい踏み方で行うようにしましょう。
もちろん、これは自宅で4way練習を行う場合も同様です。
私の場合、自宅で4wayをやる際は両手にスティックを持って、膝または練習パッドを叩いています。
膝を叩くときも練習パッドを叩くときも、必ず意識しているのが正しい叩き方です。
私たちの脳は反復練習によって「動き」を覚えますが、間違えた動きを繰り返すと、その動きを記憶してしまいます。くどいようですが、正しい叩き方・正しい踏み方で行うようにしてください。
4wayを実際のドラムで叩く場合の練習方法
4way練習を実際のドラムで叩く場合は、スネアだけでなくハイハットやクラッシュ、タムタムなども叩いてみましょう。
シンバルやタムタムを叩くことで、両手・両足の独立だけでなく、手の移動の練習にもつながります。
左手(利き手ではない方の手)の移動が苦手なら、なおのことおすすめです
私が実際のドラムセットで4way練習を行うときは、基礎練習前のルーティンとしてやっています。
基礎練習の前に基礎練習をやるというおかしな構造ですが、最初に4wayをやっておけば、後の基礎練習もスムーズに動くような感じがします。
なお、ドラムセットの4way練習では、しっかり楽器を鳴らすことを意識しましょう。よくあるのが、左手でタムを叩いたときに、タムがきれいに鳴らないというものです。
一打一打をしっかり意識し、それと同時に「ちゃんと楽器が鳴っているか?」にも注意を向けましょう。
4way練習をより効果的に!チェンジアップと組み合わせよう
私がよく行っているのが、4way練習とドラムの基礎練習であるチェンジアップの組み合わせです。
やり方はとても簡単。
通常、チェンジアップはスネアを使って両手で行いますが、これを両手・両足に置き換えるだけです。
4wayトレーニングとチェンジアップを組み合わせることで、以下のメリットがあります。
- 両手・両足の独立につながる
- リズムトレーニングにつながる
- 動きが鈍い左手・左足の強化
- 強弱をつければ、ダイナミクスコントロールの練習にも
本来、4wayトレーニングの目的は「両手・両足をバラバラに動かせるようになること」ですが、チェンジアップを組み合わせるだけで、副次的にほかのメリットも得られるようになるわけです。
私が実際にやっているのが、
- 左手…ハイハット
- 右手…スネア
- 左足…ハイハットペダル
- 右足…バスドラム
という組み合わせです。手の移動はせず、左手はハイハット、右手はスネアで固定です。この状態で、メトロノームを鳴らしてチェンジアップをしています。
右手からスタートさせたり、左足からスタートさせたりなど、色々なパターンでチェンジアップを叩いてみましょう。
やってみると分かりますが、これめっちゃムズイです。
ですが、これをやると驚くほど両手・両足がバラバラに動くようになります。
まとめ
以上、4way練習の方法についてまとめてみました。
非常にシンプルでありながら、確実に効果が見込める練習が4way練習です。
これは個人的な感想なのですが、「こんなすごいドラムの練習方法があるなら、初心者の頃にやっておけばよかった…」というのが本音です。
ですので、ドラム初心者の方は、ぜひ今日から4way練習を取り入れてみてください。
1日5分を毎日行うだけで、見違えるほど両手・両足をバラバラに動かせるようになりますよ。
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